誰かと喧嘩をしたことはありますか?
私には、人生で使う怒りのエネルギーを9割以上使ったのではないかと思うくらいの大喧嘩をした経験があります。
それは夫婦間の衝突だったのですが、
- 一度はひどい冷戦状態にまで落ちていってしまったものの、
- 最後はWIN-WINの関係を再構築でき
- 仕事につかえる秘策まで見つけた
という経験についてお伝えします。
その時の体験は、私の人生の色彩レベルを2段も3段も上げてくれ、人生をより色鮮やかにする貴重な体験となりました。
戦争勃発!夫婦で衝突しまくりの新婚生活
なぜか伝わらない。常に食い違う夫婦の意見
2020年8月、私は4歳年下の女性と結婚しました。
その女性と結婚を決めたのは、「一緒にいるからこそ、より人生を豊かで幸せな生き方ができる」と確信したからでした。
奥さんに対して、二人で幸せな人生を作れると確信したのは自分になかった部分があったからです。
- 目標を決めてその目標を実現する環境を作るのが上手なこと
- 人との対話がうまく周りを納得した状態で上手に動かすことができること
私が持っていない部分を持っている奥さんとだからこそ、これからは私と奥さんのいいところを活かしあった幸せな生活をつくっていけると思ってました。
ただ、結婚生活が始まって少しずつ違和感を感じ始めました。
一人で暮らしていた時よりもストレスを感じる瞬間が増えている気がする。
特に二人ともが関わることを決めるときにストレスを感じる瞬間が増えました。
家具を購入するとき、年末年始の過ごし方を決めるとき、お互いの両親との関わり方を決めるとき、などです。
こんな小さなストレスが積み重なってきたある日、それは起きました。
否定ばかりの返事にうんざりで大喧嘩
ある日、私が奥さんに真剣な話があると話をする時間を二人で設けました。
私が話した内容は、夫婦の今後の将来設計を考えて貯蓄と将来の資産形成についてこういう計画を立てました。というものでした。
その時の奥さんの反応はこうでした。
「いいんじゃないかな」
私は自分の提案が奥さんに受け入れてもらえてすごく嬉しかったです。
ただ、その数時間後に奥さんからこう言われました。
「やっぱりいやです。私はその計画を実行しないけど、旦那さんがする分には応援します」
こう言われて、私は頭が真っ白になりました。
(えっ?どういうこと?)と思いながら、奥さんの意見を否定したい思いもなかったので
「わかりました。私ができる行動を始めていきます」
と返事をしました。
ただ、私の心情は激しくうねりを上げ始めました!
なんで?なんで?訳がわからない、、、
そんな思いが溜まりすぎて、その日から私の奥さんへ態度が激変しました。
奥さんが何をしても、怒りが湧いて仕方がないのです。
そこからの夫婦関係はどんどん悪い方向に向かっていきました。
「否定=責められている」の勘違い

感情を書きなぐった当時のノート
毎日が苦痛。
口論はないものの、自宅で流れる空気は一触即発なピリピリしたものが続きました。
夫婦で一緒に寝ていたのも、ベッドとソファに別れて寝始めるという状態でもしかしたら結婚一年目で離婚するのかもなと私は思い始めていました。
このままではいけないと思い、私はコンサルの仕事をしている友人に相談しました。
カフェでお茶しながら、友人に事情を説明して友人と簡単なやりとりをして私が大きな思い込みをしていたことに気づきました。
友人「自分の提案を拒否されて、怒りにかられているってこと?」
私「そうだね。すごくイライラが溢れて止まらない」
友人「一つ聞きたいんだけど、『提案の否定=自分を責められている』って感じてない?」
私「?、??、えーと。確かにそうかも?」
友人に質問されて、その時、初めて気づきました。
私は人生のパートナーと決めた大切な人に私という存在を否定・責め立てられたと感じたことで毎日イライラしていたのだと。
そこから友人は、同一視について教えてくれました。
同一視とはーコトバンク
私は、【自分の意見・提案=私自身】と考えて、意見を奥さんに否定されたことを私のことを否定されたと勘違いしていたのです。
勘違いに気づいた瞬間、世界がモノクロから色鮮やかなカラフルな世界に変わりました!
その当時は怒りの感情で本当に世界がモノクロのように見えていたので、本気でこんな感じでした(汗)
冷戦に光が差す。解決の糸口、もやもや消しゴム
変わりたい!切実な思いでの新しい挑戦
友人のおかげで勘違いに気づけたのですが、まだ解決すべき問題がありました。
私の提案をなぜ奥さんが拒否したのか。その理由が私にはわからなかったのです。
この理由がわからないと私は、奥さんに新しい提案をして否定された時にまた暴走してしまうのではないかと思いました。
そこで、タナカミノルさんの音声コーチングで教わった問題解決の手法を思い出しました。
その方法は、「もやもや消しゴム」といいます。
簡単に説明すると、「もやもや消しゴム」を使うと自分の視点に凝り固まって考えがちな思考を相手の視点にも立って考えやすくなるというものです。
その時はワラにもすがる思いだったので、なんでも試してみようと早速試してみました。
相手の視点を取り入れていくと見えてくることがある
私がその時に実際にやったもやもや消しゴムはこんな感じです。
お題:私がたてた「夫婦の今後の将来設計を考えて貯蓄と将来の資産形成の計画」を二人で実行していくとどうなるか
視点 | メリット | デメリット |
私(夫) | 将来のお金の蓄えができる 私が感じている将来の不安が減る 計画を実行できる 奥さんを私の思い通りに動かせて支配欲が満たせる |
今使えるお金が減る お金を使ってできる選択肢が狭まる |
奥さん | 将来のお金の蓄えができる | 今使えるお金が減る |
青字の部分(自分のメリット以外)の視点が手薄になっているのがおわかりいただけると思うのですが、整理していて気づいたことは、私が提案していた内容は
- 自分の主張ばかりが入っている→奥さんのメリットを十分に考えられていない
- デメリットが少ない→リスクが十分に考えられていない
ということでした。
書いてみてやっと気づきました。
あまりにも私は楽観的でリスクを考えていない。そして、相手(奥さん)のことを考えていない。
じゃあ、どうするか。
偏りがある場合は、量が少ない箇所を同じ量になるぐらいまで視点の数を増やすことで見えていない部分に気づくことになるとのことだったので試してみました。
目から鱗。食い違いは私が起こしていたことだった
項目の内容が少ない3箇所について書き足してみました。
視点 | メリット | デメリット |
私(夫) | 将来のお金の蓄えができる 私が感じている将来の不安が減る 計画を実行できる 奥さんを私の思い通りに動かせて支配欲が満たせる |
今使えるお金が減る お金を使ってできる選択肢が狭まる 計画が失敗した時に今と将来両方のお金が減る 選択肢を考えるのをやめて、リスクヘッジの視点がなくなる |
奥さん | 将来のお金の蓄えができる 賛成することで夫の気分をアゲられる お金に対する対策を夫に委任できる お金について詳しくならなくて済む |
今使えるお金が減る お金の用途を夫に管理される 計画が失敗した時に今と将来両方のお金が減る お金の知識が増えない |
奥さんの視点を想像で書いてみて思ったのが、奥さんは「賛成することで夫の気分をアゲられる」と思ったから最初は賛成したのかもしれないということでした。
自分の視点でばかり考えていた私にとってこれは目から鱗でした。
それと同時に他にも自分が気づいていないことがこの中に眠っているとワクワクしていました。
深堀すると奥さんが私の提案を拒否した理由も見えてきそうです。
気持ちがわかる!妻の気持ちが見えてきた
妻が望んでいたこと・私が望んでいたこと
奥さんは自分で学生時代から将来について考えて計画通りにキャリアを築いてきた女性なので
「お金の用途を夫に管理される」
「計画が失敗した時に今と将来両方のお金が減る」
という点を嫌ったのかもしれませんでした。
確かに、言葉に書き出してみると自分も管理されるのはあまり好きではないのでこれは特に嫌だと気持ちが理解できてきました。
そもそも私も奥さんを管理したい訳ではありません。
私が提案した内容がそう受け取られてしまう内容だったのは事実です。
じゃあ、本当の目的はなんだったかに立ち返ろうと思いました。
私が望んでいたことは、将来のお金の不安を解消できるような対策をとっていきたいということでした。
そして、奥さんの望んでいることにも将来の不安の解消は含まれているのはあっているはずでした。
ただ、その方法として「夫に管理はされたくない」という望みもあることがわかりました。
夫婦のどちらにとってもWIN-WINな答えとは
ここまで考えて、夫婦で望んでいる「将来の不安を解消したい」ということを実行していくために必要な条件に「お互いに相手の行動を管理も無理強いもしない」を追加してみました。
条件が明確になるとアイデアはでやすくなるのだと思います。
すぐに次の提案が思い浮かびました。
「私がいいなと思った将来への対策があったら、奥さんにシェアするので、奥さんはそれについて感じたこと、奥さんなりに調べてみて思ったことを時間をとって話し合う時間を作りましょう」
という提案を作りました。
そこからはシンプルに、奥さんに同一視で勘違いして険悪な態度をとっていたことを謝罪して、以前の提案を取り下げて新しい提案をしてみました。
奥さんの返事はもちろん、イエスです!
思わず満面の笑みを浮かべたのを覚えています。
衝突はもっと幸せになるチャンス!
今回の教訓は、衝突はチャンスになる。ということです。
奥さんに提案を拒否された経験があるからこそ、それからは徐々に奥さん目線で物事をみるようになっていきました。
「自分の視点」「相手の視点」、どちらの視点もあるからこそより良い行動が取れるようになるのだと実感し、成長できました。
仕事にも活かして、提案上手に!
夫婦関係以外にも使ってみる
もやもや消しゴムの問題解決能力を体験した後、仕事にも使えるのではないかと気づきました。
そこで私は取引先にプロジェクトで新しい提案を出す時に先にもやもや消しゴムを事前に実行するようにし始めました。
実行し始めてやはり抜けがちなのは、自分と反対の意見でした。
まさに、自分と反対の視点を盛り込むのが提案上手になるためのポイントだと気づきました!
優先すべきは相手の問題解決の視点
具体的に私が提案を取引先に承諾いただくためにとった行動はこんな感じです。
お題:私のプロジェクトのスケジュール提案を承諾するとどうなるか
視点 | メリット | デメリット |
私 | 希望通りの工期で進められる スケジュール管理の権限を掌握できる 自社のリソースを自分の采配で配置できる |
工期を早める方法の検討をやめる スケジュール管理の責任が全て自分になる リソースを増やす考えが減る |
取引先 | 工期の管理をしなくてすむ 責任を相手(私)に委任できる スケジュール管理に割いていた時間を別のところに使える |
工期の短縮依頼をしづらくなる 自分達の裁量を委任することになる 相手(私)が離任するとスケジュールの管理が危ぶまれる |
取引先の視点を考え始めると考慮しておくべき重要なポイントは下記です。
・取引先の裁量を守る
→取引先が希望の期限を決められる
「取引先の裁量を守る」こと以外のやり方については特にこだわりはあまりないだろうということがわかりました。
そこで私は取引先に先に希望期限と絶対遵守の期限の2つを聞いてからスケジュールを作成して提案しています。
これをすると取引先の希望も叶えつつ、自社のリソースもある程度私で決定できるからです。
当然、提案は毎回通っています。
独りよがりな私を卒業していく。「相手の問題を解決する=自分の問題が解決する」の関係へ
今回お話した内容のポイントは2点でした。
- 人は同一視して、物事を正しく認識できなくなることがある
- 問題解決をするときに自分の視点に集中しすぎて、相手の視点やデメリットの観点が抜けがち
私が相手の視点を考え始め、提案がいくつか通ってきて気づいたことは自分の問題解決をしたいなら先に考えるべきは「相手の問題解決を考える」ということです。
私は個人で仕事をすることも多かったので、自分が頑張ればなんとかなると思いがちでした。
ただ、実際の現実は違いました。
仕事もプライベートも常に目の前の人の問題解決に集中することのインパクトの方が明らかに大きい!
これからも「相手の視点」を大切にして問題解決のベテランさんになっていきます。
ぜひ、みなさんもご自身の問題解決に使ってみてください。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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