ねじれた親子関係から生じた「負の連鎖」を断ち切り、エピジェネティクス的に進化する方法とは?

コーチング実践体験記

子供の将来のためと思って、小さい頃から習い事や塾などへ通わせているけど、感謝されるどころか、親子の対立は深まるばかり。

いつもイライラして、子供に辛く当たり、そのたびに罪悪感と自己嫌悪の悪循環に陥っているあなたへ。

実は昔の私と母親との関係も、あなたと全く同じ状況でした。

もし、拗れた親子関係の悩みを解決できる、しかも簡単に解決できる方法があれば、あなたはそれを知りたいですか?

現在のあなたの状況は、あなたとご両親との過去の関係性から「連鎖」して起きている可能性が高いのです。

私は、タナカミノルさんの音声コーチングで学んだことを実践することで、私と母親との間で、無意識的に強化されていた「負の連鎖」をデトックスすることができました。

その結果、相手の話を聞く余裕がうまれ、一方的に相手を責めることが、ほぼなくなりました。

さらに母親や、家族から感謝される機会が増え、仕事の人間関係でもイライラすることが激減しました。

その方法をこの記事でお伝えしたいと思います。

 

私の拗れた親子関係の「負の連鎖」

「じいじと、ばあばにもっと電話したほうがいいんじゃない?」

ある日当時9歳の長男に、

「サイエンスのFood Web(食物連鎖網)について、教えて欲しい」

と頼まれました。

食物連鎖網では、ある種族が突然「絶滅」したといった「部分」の個体数の影響は、「近いところ」から、時間的かつ空間的に「全体」へ波及します。

そして何度も循環しながら、徐々に新たな「食べる・食べられるの関係性」をもった生態系で均衡します。

その際に、「絶滅」した種族の近くの個体だけではなく、遠くの個体の「数」にまで思いもよらぬ影響が出ることがあります。そこに、新たな「関係性」が生まれることもあります。

私は、

『人と人との繋がりのネットワークも、まさに「食物連鎖網」と同じイメージなんだよ。
近いところの「関係性」をより良いものにすれば、その良い影響は、ネットワーク全体に波及して、回り巡って自分のところに返ってくるかもしれないね。』

と「偉そう」に補足しました。

すると、すかさず長男から、

『最近「じいじ」と「ばあば」に全然電話してないよね?近くの「関係性」を良くしようよ!』

という鋭い指摘を受けたのです。

日本人は世界で最も個人主義!?

思えば両親とは、学生時代から、家にいても積極的に会話することはありませんでした。

たまに話をすれば、偉そうに小言をいう母親には、特に嫌気がさしていました。

外資系投資銀行に勤務してからは、海外赴任などもあり、実家に帰省するのは数年に1度ということも珍しくありませんでした。

欧米で知り合ってデートした、白人の女性たちに、

「あなたほど個人主義な男性を、私は知らない。」

と何度も言われました。

そういえば、私は、物心ついてから父の実家に行った記憶が殆どありません。

「親と疎遠なのは遺伝なのかもしれない」

と勝手に納得していました。

そんな私も、結婚して子供が生まれてからは義務感で、1年に1度は孫の顔を見せに行くようにはなりました。

でも再び、ロンドンに移住してからは疎遠になりました。

全く日本に帰省したがらない私のことを、勤務先の同僚は、奇異の目で見ていることを少しずつ感じるようになりました。

何とも言えない疎外感を感じることも増えました。

いつでもどこでも「議論・口論」の行き着く先は?

会社でも、ミーティング中の議論の末に口論になる回数が増え、プロジェクトに遅れが出たりする悪循環が目立ってきました。

家でもイライラして、妻と口論になったり、子供たちに声を荒らげる機会が増えてきていて、そのたびに罪悪感と自己嫌悪感にさいなまれていました。

ひょっとしたら、長い時間をかけて無意識のうちに形成された、重大な負けパターンが、自分を苦しめているのではないか?

と疑うようになっていました。

 

遺伝子の発現は後天的にコントロールできる!?エピジェネティクス的な進化とは?

そんなある日、興味深い記事に出会いました

後天的な要因が、遺伝子のスイッチのオン・オフを決める!?

生物学では長らく、DNAの中にある膨大な遺伝子は、生涯を通じて変わることがないと考えられてきました。

ところが近年の研究では、環境的な変化が遺伝子のスイッチを「オン」にしたり「オフ」にしたりし、特定の遺伝子が発現するかどうかを左右している事実が明らかになってきました。

後天的に獲得された形質は、次の世代へと遺伝する──「エピジェネティクス」の謎を独科学者らが解明
DNAという「生命の設計図」に書き込まれた遺伝子は、環境や生活習慣によって変化することが近年の研究でわかっている。「エピジェネティクス」として知られるその変化は、次世代にも遺伝する。そのメカニズムを、ドイツの研究グループが解明した。

負の遺伝子の連鎖は、あなたの力で断ち切ることができる!

さらに、これらの研究結果を踏まえた仮定として、

「私たちは、努力して手に入れたスキルや体質や精神性も、遺伝的に伝えることができ、意識的に世代を超えて進化できる可能性が高いのでは。」

とさえ思えたのです。

そんな状況のなか、タナカミノルさんの音声コーチング・プログラムに出会いました。

幸運にもちょうど「色めがねのディープクレンジング」という、拗れた親子関係を、デトックする方法を学んでいるタイミングだったのです。

 

実践!「親子対立の負の連鎖」のデトックス法

まず観察して認識する

まず自分と母親の、過去の「口論」のエピソードを徹底的に洗い出し、100枚近い付箋に書き出すことから始めました。

次に母親の立場になって、行動の背景を整理・整頓して「観察」してみると、興味深い仮説が浮かび上がってきたのです。

母親は裕福な家に末っ子として生まれ、大家族に囲まれながら、人と人とのつながりを大切にして育ちました。

反対に、反抗的かつ父親譲りの一匹狼で、結果を出せば何でも許されると思っている私を見て、母親は自分ごとのように不安を感じて、胸を痛めていたのだと思います。

「どんなに能力が高くても、傍若無人に振る舞って協調性がなければ、社会では認められることはない」

というのが母親の口癖でした。

その時、私は驚愕の事実に気がついたのです。

親子対立の「負の連鎖」をデトックスする、2つの魔法の質問とは?

自分は母親に対して、何を証明しようとしていたのか?

それは母親が不安にかられて、彼女の口癖を言えば言うほど、作用・反作用の法則で、

『「パフォーマンスを上げさえすれば、つべこべ言われず、成果主義で報酬が支払われ、成功できる場所が必ず存在する」ことを、母親に絶対証明してやる!』

という私の望んでもいない「信念」が、無意識的に強化されていたのです。

まさに親子対立の「負の連鎖」です。

そうは言っても、私だって本当は「対立」ではなく、もっと「温かみ」のある親子関係を望んでいたはずです。

その時、

じゃあ本当は、自分は母親に何をして欲しかったの?

と質問してみることにしました。

答えはすぐには思い浮かんで来なかったのですが、ヒントは、日常の私の子供とのスキンシップにありました。

『母親には、ただやさしく抱きしめて、「大好きだよ」と無条件に受け入れて欲しかった。
私が今、私の子どもたちにやってあげているように。』

この事実に気づいたとき、もう枯れていたと思っていた「涙」が突然頬を伝わってきました。

そして、私が母親にして欲しかったことを、子どもたちが無意識的に察して、私に機会を提供してくれたのかもしれないと思うと、感謝で胸がいっぱいになりました。

『親子対立の「負の連鎖」を今すぐ、私の世代で完全に断ち切るぞ!』

母親に今すぐ電話して、感謝したい!

次の日の朝、私は母親に電話で、次のように伝えました。

  • 自分が親になって初めて親の苦労や、子育てに関する不安を身にしみて実感した
  • 両親が私に対して、考えられるベストを尽くしてくれたことを納得した

そして、昔の無礼を丁寧に謝罪し、「育ててくれてありがとう」と心の底から感謝することができました

それに対して母親が話してくれたことは、

  • 4歳から9年間、毎日決められた時間ぴったりに帰ってきて、1時間以上も真剣にバイオリンを練習するあなたをみて、継続することの重要性を、身をもって理解させてもらった。
  • そのおかげで、整形外科医から教わった体操や散歩を、毎日10年以上も継続することができて、糖尿病を克服し健康を維持することができている。
  • 学校では協調性がまったくないあなたをみて、社会に出たら一生認められないかもしれないと不安に思っていた。だから、口うるさくしてしまった。
  • 子育ては大変だったけど、あなたに「育ててくれてありがとう」って言ってもらって、涙が溢れるほど嬉しかった。今日は一生の思い出に残る日になった。

でした。

その後の私

あれから感情を感じることが多くなりました。

とくに子供たちのオーケストラやソロの演奏会、そして感動的な映画で涙が溢れてしまう機会が増えました。

そして重い鎧を脱いだみたいに、気持ちが軽やかで楽になりました。

そのおかげで会社でも家でも、相手の話を聞く余裕ができて、一方的に相手を責めることがほぼなくなりました。

自分の両親から、孫の声が聞けてうれしいと感謝される機会が増えました

また子供たちに、「抱っこして!」とスキンシップをせがまれる回数が増えました。

 

母親との会話で気づいた、子育てという「長旅」を気長にエンジョイするための秘訣とは?

私は子育てに正解はなく、試行錯誤しながら真剣に向き合い、自分がベストと思うことを実行するしかないと常々感じております。

その過程で、「育児は育自」とも思える貴重な発見が何度もありました。

そして、最近の母親との会話で、大きな気付きがありました。

それは子供が大きくなってから、

『「育ててくれてありがとう」といってもらえば、子育て大成功』

というゴールを設定することです。これで私はだいぶ気が楽になりました。

 

さて今回の仮説・検証の結果、

  • 幼少期からの拗れた親子関係が、長い年月をかけて無意識的に負けパターンを強化している可能性が高い。
  • 親子関係の過去のわだかまりのエピソードの棚卸をした後で、
    • 「あなたは親に対して何を証明しようとしていたの?」
    • 「あなたは本当は親に何をして欲しかったの?」

という2つの質問に向き合えば、拗れた親子関係の負の連鎖を断ち切る糸口が見えて来る、という重要な発見がありました。

あなたにもし親子関係に何かの「やり残し」があれば、是非参考にしてみて下さい。

最後まで読んで頂いて、ありがとうございました。

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この記事を書いた人
濱嶌 芳行

15年以上に及ぶ外資系投資銀行の債券トレーダーとしての実戦経験を経て、2014年英国ロンドンに移住。現在米系フィンテック企業で、AIを駆使したアルゴリズム・トレーディングを専門とするデータ・サイエンティストとして活躍中。

2018年に虎の穴に参加して以来、「トレーダー思考」を、データ分析および、顧客のコンサルティング能力の向上、さらには子育てのコミュニケーション改善などの日常生活全般にも応用し、飛躍的な進化を体験中。

趣味は料理と自然に触れること。映画トップガンに心酔し、過去に本気で戦闘機パイロットを目指したことも。将来ジェット機を操縦し、世界一周するのが夢。

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